【一句】洗練美 美しすぎて 息できない

【リトアニア共和国をイメージした振袖】

コンセプトは《聖ペテロパウロ教会》

ななほつ

「具像の中の空想」。この着物は実写的に見えるけど実は空想の世界で表現されたもの。

 

教会には沢山窓が描かれています。

実際にあるように見えるけどそこには同時に存在しない風景が描かれた世界。

この振袖の前に立つと、教会の中に立っているように感じる。

教会の窓にはリトアニア共和国の素敵な名所が見える。「杉原千畝の執務室、十字架の丘、湖に浮かぶ古城」。

 

私はこのリトアニア共和国の着物で1番感じたことは【作り手の方の拘り】だった。

 

先生の拘りは大きく

①建物の奥行きをつけた事

②色彩

例えば、黄色と言えども実は微妙に違い、使い分けられる。

 

先生が言われてた。

「黄色っていったら作るレシピは一つではなく、色んな組合せで作ったりする。」

それは箔の色の濃淡を際立たせるための黄色だったり、美妙にボカシを入れる右袖左袖の色数の違い黄色だったり。

黄色と言えどもどこで使う黄色かで使い方で色が違う。同じ黄色でも色が作られる過程(黄色を作るレシピ)が違う。

 

リトアニア共和国の着物にはいろんなものが描かれている。お城と紋様。

私はお城と紋様を見て「書いてる人は違う人かな?」って思った。タッチが全然違うから。

けど同じ方で当時74歳の方だった。

ななほう

 

京都で着物作るのは分業。

着物を作るに30工程くらいあります。

その一つに絵の基盤となる下絵という工程がある。

実はお城の湖にはお城が描かれてるけど下絵の時点ではお城は湖には映っておらず何が描かれるだけだった。友禅(色を入れる工程)でその74歳の方のこだわりで入れられたんですよね。

 

当時の私は「え?なにその拘り」ってなって。

だって私、言われたことしか出来ない人間だから!(言われたこともまともに出来ないって言った方が正しい笑)

だから「本当に凄い!本当に凄い!本当に凄いっ!」って思って美しいものが作られる過程に胸打たれた。

 

見えないその人が生きていた時間がたくさん詰まり、研ぎ澄まされリトアニア共和国の着物に表れている。

あの時の感動が、なぜあの時あんなにも感動したのか最近よくわかる。

 

綺麗な物、感動する物には理由がある。←これは言い続けてきたけど、

最近思うのがその人が生きてきた過程と、作品はイコールということ。

 

そして私はまだ人間力そんな無いんで、型から(いいもの背伸びして身につけて)入ってる感じするけど、どう着物を選ぶかってその人の生きてきた過程で見るところが違う気がする。

 

 

「これが自分の作品で本当良かったわ〜。これ他の人作ってたら妬いてしまう。そんなんいややわ〜」ってリトアニア共和国の着物の作家さん言われてあって、も、もうカッコよすぎです!!!!!!!となった事を思い出しました。

ななほう 

雷に打たれた感じで、

「本当先生の全て知りたいです!」

って思った作品だった。

 

 

今の時代「安く、早く、映える」ものが多い中、私が届けたい着物は真逆だと思う。

でもすきって思うから、自分を磨いてそれらを伝えられるようにしていきます。と思う。

気持ちは焦るけど、ゆっくりゆっくり根を張るようにやろうと思う。

 

一昨日雷に打たれたように感動して、同じく雷に打たれて胸きゅんした2015年のことを思い出した。ので書いてみた。

 

KIMONOプロジェクト

No.002 リトアニア共和国

具象の中の空想で描く世界遺産「聖ペテロ・パウロ教会」

リトアニア共和国は、ヨーロッパ北東部の共和制国家。バルト海東岸に並ぶバルト三国の一つ。

中世においてはヨーロッパ最大の面積を誇る国家だった歴史がある。

第二次世界大戦中、リトアニア共和国のカウナス領事館に赴任していた杉原千畝という方がいる。

ナチス・ドイツの迫害によりポーランドなど欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情し、外務省からの訓令に反して大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6000人にのぼる避難民を救ったことで知られている。

その避難民の多くが、ユダヤ系であった。

「命のビザ」ともいわれていて、まさしく命を懸けて発給したビザ。

 

213枚の着物を作り始めるのに、ヨーロッパ最初の国にリトアニア共和国を選んだ理由は「杉原千畝」氏への敬意でもある。

そして、そのリトアニア共和国を製作するにあたり、染処おかだが悩んだ末に選んだのが、

首都ヴィニュスにある「聖ペテロ・パウロ教会」。

世界遺産にも指定されているこの教会は、外装に7年、内装には30年も費やされたという美しい教会で、ここにある2000以上もの漆喰彫刻は見るものを圧倒する。

 

その建物内の風景をデザインの根本としながらも、リトアニアの国花「ヘンルーダ」をブローチに見立て胸元に、名勝「十字架の丘」、湖に浮かぶ城、そして杉原千畝さんの執務室。

リトアニアの歴史を一枚のKIMONOの中に表現した。

 

リトアニアの美が、日本のKIMNOに昇華

ある時、偶然にふっと岡田の中に舞い降りてきた教会のデザインを、KIMONOの図案に置き換えていくとき、岡田がポイントとしたのが

「いかに奥行きあるデザインにするか」。

そこで、教会の柱を直線的にとらえながら天井へとつづくアーチ形のドームの曲線美を最大限にいかした。

 

さらに、背中の中心に柱を置くのではなく、

右にずらすことによって空間の広がりを感じ取れるデザインになるよう工夫した。そして、実際とは違う縮尺で、柱の囲いや窓などを「KIMONO」として着たときに成立する美へと昇華させていった。

ここに、この作品の最大の見所。

 ななほう

ななほう

ななほう

 

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何で芸術というものは心が豊かになるのか?

なんで、素敵だなと思う人は、素敵なものに囲まれているのか。

何を見てるのか。何を大切にしているのか。

作品の中にある物語をこれからも私は知りたい。

 

振返り一句

ななほう
私のこの俳句なのか川柳なのか分からないものと、字も今は色々やってみて10年後くらいに磨きがかかればいいや!と思います。
葉っぱや花はいきなりは咲かないから、まずたくさん栄養もらって根を張ろうと。ゆっくりゆっくりこの時間を大事にしたいと思います!

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