【KIMONOプロジェクト】南アフリカ

こんにちは☀️今日は今も好きなプロジェクトについて書こうと思います!

2020年に向けて世界各国のKIMONO(振袖・帯)を作ったKIMONOプロジェクト

(一社)イマジンワンワールドKIMONOプロジェクトとは、2020年に向けて各国の文化や自然を表現した世界213か国・地域のKIMONO(振袖・帯)の制作を目指していたプロジェクトです。2014年の7月に設立して活動してきました。

 ななほう

KIMONOプロジェクトの目的

KIMONOプロジェクトの目的は、大きく2つありました。一つが、着物のものづくりの伝承。また日本人には日本のものづくりの再確認をしていただき、世界には日本にはこんな素敵なモノづくりがありますよ。ということを知っていただく。世界各国それぞれのKIMONOは北は山形、南は沖縄とallJapanで制作しました。

二つ目の目的は、「KIMONOで世界を一つにする」ということです。一般的な着物の柄には実は意味が込められています。例えば縁起柄の菊柄ですと、「長寿」という意味がありお召しいただく方が「健康でいられますように」と思いが込められます。

KIMONOプロジェクトの振袖や帯には各国の歴史や文化、景色などが描かれており一枚のKIMONOはキャンパスとなり相手の国への思い・敬意が込められています。
国のように個性あるKIMONOたちです。

よくショーをして一か国ずつKIMONOを紹介した後、最後にモデルさんに手を繋ぎ輪になっていただくのですが、個々であった1枚のKIMONOたちは、最後1つに見え「世界はきっとひとつになれる」という世界平和を発信していくプロジェクトでした。

ななほう

今日はそんな213か国の中から一枚のKIMONOをご紹介いたします!

南アフリカ共和国をイメージしたKIMONO

ななほう

KIMONO制作者

松田 徳通 Norimichi Matsuda

監修 トキワ商事 tokiwa co., Ltd

南アフリカのKIMONOは京都の松田先生が制作されました。

◾️柄について

肩からは日本で言うなら桜のように国民に愛されているジャカランタ(紫のお花)が重ねロウケチ染めという物で描かれています。

裾には南アフリカの国花であるキングプロテア。

その他にアフリカキンセンカ、極楽鳥花が描かれています。

先生は、ノーベル平和賞を受賞したネルソンマンデラ元大統領、デクラーク元大統領、この二人の英雄によって乗り越えてきた人種差別の壁を
南アフリカ共和国が乗り越えてきたその歴史を、奇跡の二週間といわれる不毛の高山地帯で年に一度だけ咲きほこる花たちがあるのですがそれらに譬え表現されました。

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 ◾️技法について 

松田先生は、日本で唯一の技術「重ねロウケチ染め」を使われます。ジャカランタはそのロウケチ染めを用いられています。

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地色は黒に見えますが実は何度も何度も他の色を重ねて最初的に黒色の様な色が生まれています。

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どのように地色と柄が生まれているのか?

一つにジャカランタが生まれるまでの過程をお伝えします。
まず簡単にお伝えしますと、白(生地の色)から黒(最終的な色)へと至る「色の軌跡(変化)」を紫系統の彩色で想像し、その色を具体的な色彩で7段階に分けられているということです。


薄い色から順に生地全体にその色を引き、次に色に移る際に残したい部分に溶けたロウを筆にとって、花の形に合わせて伏せる。
今ある色に、「ある色」を足すと次の色になるような色を「想像して」彩色する。


【解説  生地は色を付けると、下の色と混ざり合って次の色に変化する・・・即ち A(今ある色)+X(実際に挿す色)=B(次に目に見える色)となるので
先生は、Bの色を目指してXの色を実際に引く】

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この色彩感覚を過去の経験値から引き出して実践し、この着物のジャカランタは
白→薄い黄色→薄いピンク→薄い紫→赤紫→紫→濃い青紫→黒
という7回にも及ぶ色を重ねることで生まれて最後地の色は
実際には黒に見えるということです。


残したいジャカランタの花の部分にロウを使って伏せて過去の色を残すことで色彩を表現するという技法。

染めが進めば進むほど、ロウで伏せられた部分が多くなり、最後のほうはロウだらけのバリバリの生地になっていくことから目で見る分には、染め上がりの想像が非常に難しく、染め上がりの完成した色彩の設計図が先生の頭の中に確りとイメージできていないと、花の一体どの部分を伏せたらよいのか分からない。


一つの技法をお伝えしましたが、この着物には重ねロウケチ染め以外にもたくさんの美しい色・技法が使われています。

◾️最後に

松田先生のお庭には季節のお花が植えられています。先生は今でもスケッチを書かれると言うことです。私が言うのもなんですが、作品ってその先生の雰囲気が感じ取れるといつも思います。南アフリカ共和国のKIMONOは2014年に完成した物ですがいつ見ても、掛けてある姿も、着用している姿も美しいと思って大好きです◎

 

ななほう

This Kimono expresses the history of South Africa which has overcome its hardships by the design of miracle flowers in the alpine desert that bloom only for two weeks. Jacaranda flowers are printed with seven different colors by using "superposing batik technique" which makes colors by superposing dyes many times.

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