私はCさんに。Cさんは、お子さんに。
今日は、以前「自装(自分で着る)」のお稽古に通ってくださっていたCさんが、
「次は、他装(人に着せる)を習いたい」
と、新しいお稽古をスタートされるため来店して下さいました。
いつもなにかあるとお顔を出してくださるので、お会いすることはありましたが、こうして一緒にお稽古をするのは久しぶり。
なんだかとても心地よく、嬉しい時間でした✨
ななほうでは、お稽古を始めるときに、
「どんなことができるようになりたいか」
「そのために何をするか」
「何を大切にしたいか」
そんな夢や目標を、最初に紙に書いていただいています。
Cさんが書いてくださったことを聞いて、私はとても感動しました。
Cさんは福祉施設で働いていらっしゃいます。
いつか施設のおじいちゃん、おばあちゃんたちに着物を羽織ってもらったりして、楽しんでもらえたら。
そんなことを考えているということです。
私自身、以前、福祉施設で にいらっしゃる方へ着物に触れていただく企画をしたことがあります。
だからこそ、実際に福祉の現場にいる方が、
「着物で何かできたら」
と思ってくださっていることが、とても嬉しく感じました。
そして同時に、
これは私にはできないことが多いな。と思いました。
私は福祉の現場に常にいるわけではありません。
けれど、Cさんのその想いをいつか形にできるように、着付けをお伝えすることはできる。
だから私は、お稽古に集中して、Cさんを精一杯サポートしたい。
そんなふうに思いました。
ななほうに通ってくださる女性は、
それぞれに想いがあって、芯の強い方が多いように感じます。
お稽古をしながら、その方のお仕事のことや、大切にしていること、これからやってみたいことを聞かせていただく時間は、私にとってもいつも勉強になる時間です。
そして今日、もうひとつ素敵だなぁと思ったことがありました。
Cさんにはお子さんがいらっしゃいます。
今日のお稽古の前には、一緒に腰紐にアイロンをかけて、くるくる巻いて、お稽古の準備をしてくれたそうです。
そのお話を聞いて、
「あぁ、いいなぁ」
と思いました。
特別どこかへ習いに行かなくても、
お母さんが着物に触れている。
腰紐にアイロンをかけている。
お稽古へ行く準備をしている。
そんな姿が日常にあるだけで、お子さんにとっては自然と「着物がある暮らし」になっていくのだと思います。
私は、Cさんに。
Cさんは、お子さんに。
そしていつかCさんは、福祉施設のおじいちゃんやおばあちゃんに。
そうやって、一人からまた一人へ。
無理に広げようとしなくても、
誰かを想う気持ちと一緒に、着物や和の文化がやさしく渡っていく。
そんな広がり方が、私はとても好きです。
着物を着られるようになることだけが、お稽古のゴールではなくて、
その人の暮らしの中に着物が入り、
そこからまた誰かへつながっていく。
今日のお稽古を通して、
そんな景色を見せてもらったような一日でした。

着心地体感中から