伝統や歴史って、いいな。
最近、「伝統や歴史っていいな」と、今までとは違う意味で感じることがあります。
今までは、着物の美しさや日本の手仕事、受け継がれてきた文化に対してだったと思います。
けど最近、もう一つ違うところから、伝統や歴史っていいなぁと思うことがありました。
伝統とは、長い年月をかけて、人が悩み、考え、失敗して、積み重ねてきた知恵でもあると思います。
例えば、50年、100年と続く会社には、その会社が大切にしてきた想いや、お客様との向き合い方、商いの判断基準がある。
もちろん、歴史のある会社も、すべてが順調だったわけではないと思います。
きっと何度も困難があって、そのたびに考えられ、選ばれ、残されてきたものがあって、今も続いているんだなぁと。
そして、今いる人たちは、先人たちが築いてきた知恵や経験を、仕事の判断基準として受け継いでいる。
一方で、ななほうは今、その判断基準をつくっているところ。
(と、思いたい。笑)
「お客様を大切にする」とは、具体的にどういうことなのか。
「着物を気軽に」と言いながら、何を守り、何を変えていくのか。
どんな仕事を引き受け、どんな仕事は引き受けないのか。
一つひとつ、自分で経験して、考えて、決めていかないといけない。(涙)
きっと、分かる人は考えれば分かることなのかもしれません。
けど私は、一つひとつの課題も、自分なりの答えも、見つけるのが本当にゆっくりで。
同じところを何度もぐるぐるしながら、ようやく気づくこともあります。
そして先日、ふと思ったんです。
50年、100年と続く会社の方々が見ている景色を、私はこの人生で見ることができないかもしれない。
そう思ったら、めちゃくちゃ寂しくなりました。😭ガーン
もちろん、受け継いでいく方々にも、自分自身の想いや在り方と向き合いながら、また違った大変さがあると思います。
けど私も、もう少し。。。
大切にしている想いを、仕事の中で形にし、お客様との時間になって、お店そのものになっていく。。
そんな景色を、もっともっと体現し、体感してみたい!涙
と。
けど、いいんだ。とも思います。
その景色を知っている方々が、手を引いて教えてくださることもあるから。
実家のうどん屋、玉川屋から学ぶこと。
尊敬する方の商いから学ぶこと。
職人さんの仕事から学ぶこと。
長く続く会社の考え方に触れること。
そうして教えていただいた知恵や感性、在り方を、自分の仕事の中で実践して、ななほうの基盤にしていく。
よく「いいホテルに泊まったり、いいお店で食事をしたりしなさい」と言われることがありました。
言われていることは分かるけど、そこから何を学ぶのか、自分ごととして感じられることが、今まではあまりありませんでした。
けど最近、ようやくその意味に少し触れられた気がします。
その場所の空間やサービスだけでなく、どんな想いでお客様を迎え、何を大切にしているのか。
そんなところまで、もっと見られるようになりたいなと思いました。
ななほうには、まだ長い歴史はありません。
けど、人とのご縁の中で、たくさんのものを受け取っているんだなぁとも思います。
そして、ふと、祖母から譲ってもらった色彩の言葉を思い出しました。
「蒼蠅驥尾に附して万里を渡り、碧蘿松頭に懸りて千尋を延ぶ」
小さな青バエも、駿馬の尾につかまれば万里を渡ることができる。
細いつる草も、大きな松に寄り添えば、はるか高くまで伸びていく。
優れた人の力や知恵を借りることで、自分一人ではたどり着けないところまで進んでいける。
そんな意味だったよーな。
私はまだ、ほんの少ししか飛べない完全立派な青バエどけど。
せっかく素敵な方々とご縁をいただいているのだから、その方々からたくさん学んで、私ももっと遠くへ行ってみたい。
駿馬の尾につかまって、万里を行こう!
そう思いました。
祖母から譲ってもらった色彩は、今の私にこういうことを教えてくれるために、ここへ来てくれたのかな。
となにか繋がっているような気がして、励まされた気持ちにもなりました。
伝統や歴史って、いいな。
人から人へ受け継がれていくものって、ありがたいな。
そんなことを思った、今日でした。🌈