着物のお手入れについて
「着物を着たら食べ物のシミが付いてしまった」
「ファンデーションの汚れがついてしまった」など
着物も洋服も着れば必ず汚れるもの。
お手入れは、私たちがお風呂に入るのと同じです。
着物を着たら綺麗にしてあげましょう。
そうすると、着物がまた着る人を気持ちよく豊かな時間を過ごさせてくれます。
ここではお家での着物の準備から、
お家での片付け、専門店に出されるお手入れまで
ご紹介させていただきます。
分からないことがありましたら
いつでもお問合せ下さいませ。
着る前の準備
着物を着る前には準備が必要です。「着物を選び、帯や小物のコーディネート」など。時間のかかるいわゆる「めんどくさい時間」かもしれませんが、これは着られる方が当日豊かな時間を過ごす準備だと思うのです。
ななほうは着られる前日にコーディネートをしてご準備されることをおすすめしています。そうすると当日、気持ちよく凛としてスタートを切っていただけると思うのです。(ご無理のないようにマイペースに)
着る時間
ななほうでは着物を着る時間は「自分に向き合う瞑想時間=自分を整える時間」と思っています。
今の時代物事が早く進むことが多く良いとされていますが、日本文化の準備や時間のかかるいわゆる「めんどくさい時間」が多くあり、その時間は自分に向き合うための、大切な時間であると思うのです。
着物を着るのには約15分~30分など、人それぞれかと思いますが、その時間を大切にしますと、今からお出かけされる時間も、今この時も豊かに過ごしていただけると思うのです。
着物を着ている時間
ななほうでは「衣装は相手の敬意に比例する」と思っています。以前麻生豊さんのお話で印象に残ったお言葉です。
着物でお出かけすると喜んでいただいたり、暖かいお言葉をいただいたりすることや、シーンは少なくないのではないでしょうか?
それは、着物を着るまでの準備や、着る時間という着る人がそれまでにかけた温かいお時間が反映しているものだと思うのです。
「人こそ人の鏡(他人の言動は鏡に自分をうつす鏡のようなものであるから、他人を見て自分を改める参考にせよということ。)」とありますが、いいことも、改めたいことも自分の言動・行動は反映していると思うのです。
着物をお召しいただく時間は、自分自身はもちろん、思う愛てへ愛を届けている時間だと思っています。
芸術家・北大路魯山人が「器は料理の着物」と、また表装(掛け軸や額を仕立てること)を「書に着物を着せる」といいますが、着物の役割は主役(着る人)を大切にするツールと思うのです。
着た後の時間、片付けについて
着物を着た後は、着物を休めてあげましょう。
①着られた後は着物ハンガーに「着物、長襦袢、帯」と掛けながら汚れていないか見てあげます。
②一晩掛けて休ませてあげます。理由は大きくは「湿気をとってあげるため」です。着物の天敵は湿気です。着た後の体温の湿気をとってあげるのが目的です。湿気が残ったまま仕舞うとシミや、シワの原因になります。※小物(帯揚げや腰紐なども)も同様に衣桁や、ハンガーに一晩掛けてあげます。
③次の日、畳みたとう紙にいれて元の箪笥にいれて仕舞いましょう、
※食べこぼしや、着用汚れがあった場合はなるべく早くお手入れに出されることをおすすめします。無理にご自身で水などを付け擦って落とそうとしますと、汚れが広がってしまう原因にもなりますので、優しくティッシュなどを当てポンポンと水分をとってあげることがいいと思います。専門店に持っていく際汚れの箇所をお伝えください。
着物のお手入れについて
ものを大切にしてあげるとは、自分自身を大切にすることだと思います。
「着物はお手入れが大変」と聞くことも少なくありませんが、綺麗にしてあげることで、またお召しになる時豊かな時間を届けてくれると思うのです。
過剰なお手入れは不要です。その方、その着物に合ったお手入れをご案内させていただきます。分からないことも多くあると思いますので、そんな時にはお気軽にお問合せ下さいませ。